橙磨の表情は少し暗い……。
何か悩んでる感じ。
そこであたしは口を開いた橙磨から、衝撃の一言を聞いた。
「悠矢と抱き合ってたんだって?」
それは………
どうして橙磨が知ってるの?
あの場所には、あたしと悠矢しかいなかったはず。
京花達は逃げてたし……。
まさか!!
「橙磨……それ、京花から聞いた?」
「誰から聞こうと関係ないじゃん。まず抱き合ってたのは嘘?ホント?」
「違うの!あたしが呼び出されてたのを悠矢が気付いて……助けてくれた!それだけ!」
「だからって抱き合うほど軽い女なんだ」
「何それ……」
軽い女とか最低。
確かに、あたしは橙磨に心配かけたくなくて何も言わなかった。
でも、そんな言い方ないんじゃない?
「橙磨、最低。大嫌い。……いらない、返す……」
「俺も結香なんて知らね」
あたしは、ネックレスを外して橙磨に押し付けた。
好きなのは橙磨なのに……
あたしこそ最低だ。
走ってその場から逃げ出して、さすがに部活には行けなかった。

