不覚にもドキッとした。
いつもの可愛らしい後輩じゃなくて、切ない横顔の男の子に。
こんな時にズルイよ、悠矢………。
「ありがと!気持ちは嬉しいよ。でもごめんね?橙磨が好きなの!」
「で、でも…!……無理ですよね。だって俺、結香さんのそうゆう健気なとこ好きだもん」
「ありがとう…ほんとに、ありがとね」
「もう言わないで下さい。今度は俺が泣いちゃいそうです」
切なく笑って見せた悠矢に心の中で、もう一度「ありがとう」と言った。
好かれるのは嬉しい。
守ってくれたことにも感謝してる。
でも………
あたしは橙磨がくれた、リングが付いたネックレスをぎゅっと掴んだ。
橙磨が好き。
「いつまでも、こんなことしてたら日向さんに怒られちゃう!結香さん!部活行きましょ!」
「うん!行こっか!」
「今日もシュート練ツライんだろうな〜」
あたしも切り替えなきゃ。
元気出たもん!
頑張ろう!

