幼なじみとの恋は甘くてじれったい




安心したような、何かから解放された気分……。


スッキリしたわけじゃない。


でも、悠矢が助けに来てくれたから助かった…。


気付けば、あたしの頬に生暖かい涙が伝ってた。


嬉しくて怖くて……


もう感情分かんないや。



「結香さん、泣かないで…もう大丈夫だから」

「…うんっ…ありがとっ…っ…悠矢」

「女達の声が聞こえて、嫌な予感して駆け付けたら結香さんがいたから」


優しく笑って、あたしの背中を撫でてくれる。


もっと涙止まんなくなるってば……。


「まだ…悲しいですか?」

「へっ?」

「それなら今だけ許して下さい。俺、好きな子の涙は見るの苦手なんで」


その瞬間、ぎゅっと抱きしめられた。


間近であの柑橘系の香りが鼻を掠める。


「はっ…ダ、ダメだよ…!離れて?ね?」

「俺も…色んな意味で悲しいんです。だから許して……お願い」



聞いたことのない悠矢の切ない声。


そして、あたしをキツく抱きしめて泣きそうな声で言った。


「好きです…結香さん。俺なら絶対に悲しい思いさせないから…」