どっとあたしを襲うのは恐怖感。
男達の前では絶対に見せないような、見下したような目付きと低めの声。
「アンタむかつく。橙磨にくっつき過ぎなんだよ」
「ブスのくせに、しゃしゃんなバカ」
「…ふふっ♪泣きたいなら泣けばー?橙磨助けに来ないよっ!」
「絶対に泣かない……」
女達の下品な笑い声が響く。
泣きたい気持ちを抑えて、浴びせられる罵倒を我慢して流す。
「……つまんない。何黙ってんの」
「逆に、京花はそんなに人を罵って楽しい?だから中学の時から、まともな女友達いたことないんじゃないの!?」
「うっ、うるさいわね!アンタに関係ないでしょ!!」
京花が手を振り上げた。
これは……叩かれる。
あたしは反射的に、ぎゆっと目を瞑る。
でも叩かれなくて………
目を開けた先には、京花の振り上げた手を掴んでる悠矢が立ってた。
「一人に寄ってたかって何してんスか?見苦しい」
「は、離しなさいよ……」
「俺の大切な先輩に手出すんじゃねーよ」
いつもの優しい悠矢の雰囲気と違う…
ちょっと怖い。
京花達が走ってその場からいなくなると、あたしは全身の力が抜けてその場にしゃがみ込んだ。

