それからも嫌がらせは続いた。


橙磨にバレないように、うまく隠して誤魔化して……。


ごめんね、心配かけたくないの。


「結香…大丈夫?」

「どうして?橙磨」

「なんか、元気なさそうに見える。……隠し事してないよな?」

「し、してないよ!するわけない!」

「それなら良いんだけど、さ…」


あ……この顔納得してないな。


幼なじみだから、変にこうゆうとこは勘が当たる。


ヤダ……もう何も聞かないで。



ある日の放課後。


あたしがいつも通り第2体育館へ行こうとしてた時だった。


「結香!」

「…っ…き、京花……」

「久しぶり〜♪高校入ってから、あんまり絡みなかったよねー。ちょっと話さない?」

「ご、ごめん!あたしこれから部活が…」

「男たぶらかすのなんて後で良いじゃない。…来いって行ってんの」


手首を引っ張られて強制的に連れて来られた第1体育館裏。


この体育館を使う部活は今日休み。


絶対に誰にも見付からない場所。


どこからか、女子4人が出て来てクスクス笑う。


逃げたい……。


はずなのに、足が竦んで動けない。