恋愛なんてしないで、ただ女友達と騒いでたらこんなあたしが出来上がった。
女子力の欠片もないね?
なんせ“彼氏”なんて存在生まれてから、一回もいないし。
「逆に、静乃さんは好きな人…」
言いかけたところで、ふわっとこちらに飛んできたボール。
静乃さんがキャッチ。
「わりぃー霧谷!さすが、中学時代元女バレ!力もあるし、ボールはお得意か!」
「……こぼれ球少しは気をつけて。結香にあたったら、どうするの」
「はいはい。ごめんね、姫川」
困った顔であたしの頭をポンポン撫でるのは、宮田龍太さん。
あの、部長候補の。
「ははっ……大丈夫です。静乃さん、大丈夫ですか?」
「霧谷は大丈夫だって!なっ?」
「宮田、早く練習戻りなさい。監督に言い付けるわよ」
「すいませんでしたー!!早急に練習に参加するので、お見逃しを!」
「よろしい」
静乃さんと宮田さんって仲良いんだ……。
なんだか、意外な組み合わせ。
とにかく、あたしは橙磨のことなんか好きじゃないしカップルでもありません!

