ナンパ防止策のために、結香にちょっかいかけまくった結果。
後輩の口から結香のこと聞かなくなった。
今更だけどさ………俺ってかなり独占欲強いかも……。
「やっ、ダメ!最悪!日向くん、抱きつかないで!キモイです!」
「ちょ、華奈〜!俺離れしないでよ!寂しいじゃんか!」
うん、日向ほどじゃないけど。
日向から必死に走って逃げる華奈ちゃんを苦笑気味に見守るしかない。
そんな時、俺の腕をぎゅっと掴んできた可愛いヤツ。
「橙磨」
その声も笑顔も全部俺の。
「何?結香ちゃん」
「あのね、帰りにメロンパン食べたい!奢ってよ!」
「あ〜…じゃ、キスの一つでもしてくれたら奢ってやるけど?」
「ええっ!?今!?……えっと、じゃあ屈んで?」
「バカ!本気にしなくていい!ちゃんと奢ってやるから!」
照れ屋なのか、積極的なのかよく分かんねぇし……。
単なる鈍感で天然なのか。
そして、俺って結香には甘いんだよな〜。
「早くメロンパン食べたい!」
「自主練終わったらなぁー」
「はーい」
ちゃんと帰りにメロンパン買ってあげよう。