揺られる帰りのバスの中。
揺られてるせいか眠気は増すばかり。
少しボーっとしてると、すぐに頭がぐらぐらする……。
「結香?眠いの?」
「ううん……全く」
「俺に嘘つけると思うか~?何年一緒にいると思ってんの」
「嘘ついてないし」
「ついてる。今日だけ特別、幼なじみ橙磨くんの肩貸してあげるけど」
「結構です…」
キッパリ断ったのに、ぐいっとあたしを引き寄せる。
反動でコツンと、橙磨の肩にあたしの頭が乗っかった。
ちょっ、ちょっと……かなり密着感ヤバイ!!
「な、何してんの…?」
「強がりで不素直で、全く甘えてくれない幼なじみを甘やかしてる」
「そうゆうこと聞いてない!アンタ……彼女、いるじゃん……」
それなのに、こんなことしたら彼女傷付くし浮気だよ……。
「あのさ……結香」
「ん?」
「俺と二人でいる時に、彼女って言葉出さないで」
「それって、どうゆう……」
「お願いだから」
そんな切なそうな瞳に捕らえられたらもう……
頷くことしか出来なかった。
今は………橙磨に従うね。

