俺の気持ちなんて何も知らない結香は、ただ俺の腕の中で身をよじる。
「橙磨?ここ部室だよ?」
「知ってる。そんなこと……」
「離して!ね?誰か来たら困るよ…」
「結香、ちゅーは?」
「もっとダメ!!ここ、学校だからね!分かる!?」
「無理、ごめん。ちょっとだけ黙って……」
結香を抱きしめたまま、キスして少しの優越感。
本人は、ボケーっとして顔を真っ赤にしてる。
んぁ………可愛い!!!
食べちゃいたい。
「結香ちゃん。さすがに、学校でヤったら怒る?」
「バスケットボールを死ぬまで頭に投げ付けてやる」
「すいませんでした!」
俺の命の危機を感じたんで、やっぱりやめます。
ーーガチャ!!
いきなり部室のドアが開いた先には、鼻歌交じりにいた日向。
「あ……ははっ…わ、わりぃ!お、おお俺忘れ物取って来る〜!!」
バタンと閉じたドア。
絶対に勘違いされた…?
「橙磨のバカー!!」
「いでっ!!」
バスケットボールをたんこぶ出来るだけ力一杯投げられた。

