休憩に入ると、結香が小走りで俺のところに来てチョコを見せた。
「これ、橙磨のパーカーのポッケに入ってたの」
あ〜……この前、コンビニ行った時にレジにいた大学生くらいのお姉さんがくれたヤツ。
「カッコイイからあげる!その代わり連絡ちょうだい」なんて言ってたな。
チョコ一個で釣られるほど俺は安い男じゃありませーん。
ま、俺には大切な結香がいるわけで連絡なんてしてないけど。
「いいよ、食べて!」
「ほんとに!じゃあ、食べる!」
「チョコ貸してみ」
俺はチョコの包み紙を開いて、溶けかけのチョコを結香の口に運んでやった。
若干、俺の指食べて顔真っ赤にしてる。
反応が可愛過ぎて、俺まで照れるわ!
「うまい?」
「うまい!また食べたいから、橙磨買ってよ!」
「俺が忘れてなきゃね〜」
「はぁ〜羨ましい!休憩中だけど部活中!イチャつくなバーカ!」
日向がボールを投げてくる。
なんで、そんな悔しそうな表情してんだよ……。
あ、華奈ちゃんに完全放置されてんだ。

