【橙磨side】
授業終了のチャイムが鳴った放課後。
色んなヤツらが行き交う廊下。
俺は結香の手を引っ張って、体育館へと向かう。
今日もこれから部活だ。
龍太さん達はいないけど、なんとか日向と頑張ってる。
「橙磨〜。今日も華奈ちゃん来てくれるって!」
「おー良かったじゃん!華奈ちゃん来てくれたら、ドリンクも味薄くないもんな」
「どうせ、あたしは下手くそですぅー。華奈ちゃんはドリンク専門にする!」
「いじけんな、バカ」
頬をぷにっと摘まむと、いじけた顔で俺の腕に抱きついた。
自分から来るなんて珍しい〜。
「橙磨にバカにされないように頑張る……。だから…頭ぐらい撫でてよ…」
「待って。可愛い。反則」
結香が甘えてくれた〜!!?
もう、好き過ぎてヤバイ……。
こんなに一人の女の子に執着したのは、結香が初めて。
それだけ、コイツは俺のことを掴んで離さない。
まぁ、離されちゃ困るんですけどね。
「部活行くぞ〜」
「はーいっ」

