龍太さん達と別れたあと、一人で控え室に行くと悔しそうに泣くヤツらが当たり前のように、ほとんどで……。


あの日向でさえ、隅っこでしゃがみ込んで顔を隠してる。


声……かけない方がいっか。



俺は、悔し過ぎて自分の感情が分からなくなって泣けない。


泣きたいし、悲しいけど、今になって小さなミスを思い出して悔しさだけが込み上げてくる。


もう、こんな思いしたくねぇな……。



そんな悲しさ漂う控え室をノックして、遠慮がちに結香が入って来た。


「あのっ…っ」


この雰囲気を見た結香は、言葉を詰まらせて俯く。


マネージャーも大変だよな…。


「監督になんか言われたの?俺、言っとくからいいよ」

「ごめん…橙磨。あのね、あと1時間後には決勝の学校がここ使うから、早く出とけって……。あ、でも、まだ1時間はあるから!」

「分かった。伝えとくな」

「うん、ありがと。………お疲れ様でした」


俺の背中をポンと優しく叩いて、控え室を出て行った。



あ〜………最悪。


結香のせいで泣きそう。