あたしは部室に行くため一度、体育館を出ると小柄な女の子が制服姿にマフラーを巻いて、鼻を赤くして立ってた。


多分、ずっと立ってた感じ……。


大丈夫かな!?



あたしと目が合うと遠慮がちに近付いて声を掛けて来た。


「あの……」

「なっ、なんでしょう?」


色白の肌に、茶髪の揃えられたキレイなストレート。


可愛らしい見た目とは裏腹に、少し低めの声。


「バスケ部の…人、ですよね?」

「一応、マネージャーですけど…」

「あたし1年C組の松岡華奈(マツオカ ハナ)…って言います。それで……」



後輩の女の子だ。


こんなに可愛い女の子が、あたしになんの用事だろう?


華奈ちゃんは照れくさそうに頬をピンクに染めて言った。


「…お、大澤日向先輩とは…お知り合いですか…?」

「うん!クラスも一緒だからねっ」

「大澤先輩が好きなのです!お願いします!協力して下さい…!」

「そ、そうなの!?」


日向くんに恋してた女の子なんだ!


これは協力してあげたい。