「つーことで、未遂で終わっちゃったわけだ?」
「そうゆうこと。未遂までもいってねぇよ!」
部活が始まる前の体育館。
先に着替えた俺と日向は、まだ人の少ない体育館で自主練し放題。
………だけど今日は自主練する気にもならないっす。
やり切れない思いをボールに乗せて打ったシュートは、リングにぶつかり見事にハズレ。
最悪………。
「橙磨がまだ彼女に手出さないって珍しいよな〜。やっぱ、結香ちゃん大事?」
「当たり前!めちゃくちゃ大切」
「だけど、そろそろ手出しちゃいたいんだ?」
「まぁな。かなり我慢してるし、結香が可愛過ぎてツライ!」
「ラブホでも行けば?」
それをやったら結香が、かなり嫌がりそうじゃん?
今までの女の子と違うんだから。
「あ、噂をすれば結香ちゃん!」
「今日も安定の可愛さ。結香ー!」
「ちょっと橙磨ー!練習始まる前に散らかしたボール片付けなよ!宮田さんに怒られるでしょ!」
「っつーことで片付けるぞ!日向!」
「単純だねぇ〜」
結香がかかれば、俺は単純で素直なの。