叶わない理想を見ながら、考え込んでしまう。
龍太さんと静乃さんは幸せになってね。
静乃さんが記録を持って結香のところへ行くと、龍太さんが俺の肩に手を回した。
「お前さー……いつまで姫川のこと待たせるんだよ」
「え?結香、ですか?」
「好きなんだろ、姫川のこと。バレバレだっつーの!」
「…俺は好きだけど、多分結香は俺のこと嫌いなんじゃないかなって……」
「バカ。男なら一か八か一発賭けして来いよ。伝えない後悔より、伝えた後悔の方がよっぽどいいぜ」
バチッと結構強めなデコピン。
そっか………。
俺、自分勝手に動いてばっかで結香にちゃんと伝えてない。
「ちゃんと伝えろって。橙磨なら出来るだろ?」
「はい。諦めるのは、もうちょい先にします」
「良い結果待ってるな!……お、そうだ!お前ら〜!彼女出来たら、部員全員の前で報告な♪」
マジかよ!!
あれ勇気いるよ?
意外と。
龍太さん、良い結果待ってて下さい。

