それからは不思議な程恐怖心が消えてあたしは、すんなり部室に行けた。


案の定、記録表の上にケータイが重ねてあったし。


次からは気を付けなきゃ!


「ケータイあった……」

「良かったな。じゃあ、帰ろっか」

「うん。ほんとに助かった!ありがとう!橙磨!」

「どういたしまして〜」



ホッと一安心したまま、学校を出ると驚きの光景。


ザーッ…………


どしゃ降りの雨。


最悪……ツライ!!


「ごめん……橙磨」

「気にすんなって!別に結香が降らしたわけじゃねぇし。さっきのテンションどこいった?」

「……どっか飛んでった」

「雨宿りしますか〜!」



降り止みそうきない雨をジーっと眺めてしゃがみ込む。


隣で橙磨は、胡座をかいて欠伸をかます余裕振り。



………キスのこと思い出しちゃうな。


橙磨は気にしてないの?


どうして…キスした相手があたしなの……


いや、考えてもキリないね。