それからしばらくした部活終わり。


日向と自主練を終えてから、ガラガラの部室で着替える。


遅くまで自主練する予定だったから結香には先に帰ってもらった。


制汗剤を出してロッカーに乗せてると、日向がそれを手に取る。


「使う?」

「いいや。これと同じの前に結香ちゃんが持ってたなぁ〜って!」

「結香が?別に普通じゃね?これ、そこそこ人気あるし」

「それが前は違う匂いだったから!で、俺聞いたんだ。匂い変えたんだ?ってさ」

「うんうん」


ニヤッと怪しく笑った日向が小声で呟いた。


「橙磨と同じ匂いにしたかった…照れながら話してたなぁ〜♪いや〜可愛かった!」

「う、嘘だ〜!日向やめろよ嘘!」

「ははっ!!何動揺してんだよ!ネクタイ結び方逆!」


前に石鹸の匂い嗅がせたから?


結香は確か、甘い感じの匂いしか使ってなかったのに。



ますます、期待するんですけど。



「なぁ、お前らいつ付き合うのー?」

「付き合う気ねぇよ。俺と結香はあくまで幼なじみだし!」

「あ〜……一歩踏み出すの怖いんだ?……図星!?」

「今の関係が一番いやすいからな…」


ただ、これで日向にはバレた。


俺が結香のこと好きだってこと。