【橙磨side】



あの幼なじみの結香に好きなヤツね〜。


隣の席の結香をチラッと横目で見つつ考える。


バスケ部2年の背が高くて腹立つほどバスケうまい人。


ん〜………誰!?


日向か!?



現代文の授業中、真剣に板書をする結香の机をコンコンと軽く叩いた。


「……何よ」

「日向?」

「え?日向くんがどうしたの?」

「結香の好きなヤツ」

「違う。日向くんは友達」


じゃあ、あと他に誰がいる?


あんまり人の色恋沙汰とか興味ないけど結香の好きなヤツは、めちゃくちゃ気になってしょうがない。


変な男に結香は渡せねぇもん!!



「隣のクラスの佐々木?」

「もっと違う。佐々木くん割と背低めでしょ」

「A組の河北!アイツ背高いし、ベンチメンバー入ってる!」

「河北くんはっ……」

「佐倉!授業中なのに声デカイぞ!姫川も相手にするな」

「ははっ……すいませーんっ」


くっそ。


河北のこと聞けなかったな。


反応的に河北じゃない気がもするけど。


全く振り向かない結香を射止めたのはどんな男なんですかね〜。