良かった………


ほんとに良かった……。


橙磨がいるってことは、あたし一人じゃないよね。


「やったー!!橙磨とおんなじクラスだ〜……安心した…」

「そんな反応されたら俺期待するよ?」

「へっ?」

「いや、なんでもない。……教室行くか!」

「行くー!」


期待するって何に?


まぁ、いっか。


とりあえず、今は新しいクラスに馴染むことを優先!


橙磨がいるから大丈夫だよね、きっと。



教室に入ると、女の子の集団がバーっとあたし達に駆け寄って来た。


新学期早々友達!!


……じゃなくて目的は橙磨。


「橙磨くん!おんなじクラスよろしくねぇ♪」

「2年間一緒とか幸せ〜!!」

「橙磨くん♪よろしくっ」

「みんなよろしくー!ありがとな!」


なんて調子良く愛想笑いを振り撒く。


バカみたい。


ガタッと席に着くと、背中をトントンと誰かに叩かれた。


誰?



「結香!同じクラスよろしくねっ!3年間一緒じゃん♪」

「千秋〜!!やった〜!嘘みたい!」

「あたしもちょー嬉しい♪」


今日のあたしは運が良すぎるみたい。