4月になり新学期。


桜がひらひらと自由に舞い散る道を歩いて下駄箱に向かう。


その隣には、ふわっと欠伸をして眠たそうな顔の橙磨。


なんでこんなに余裕なのよ!!


今日は運命のクラス替えなのに!



「なんでそんな緊張してんの?朝ご飯食べれなかったしょ?お腹痛くて」

「どうして橙磨がそのこと知ってるのさ!」

「結香のことで知らない情報はありませーんっ♪」

「キモイ」

「ヒドイ」



ドキドキと忙しくなる胸がぎゅっと締め付けられる気持ちで下駄箱に行く。


人の群れが……ヤバイ。


背の高い橙磨が掻き分けて先に進んでくれるおかげで、あたしもどうにか着いてく。



お願い………


知り合いが一人でもいますように!!


「2年E組!俺と結香クラス一緒だ〜」

「嘘?マジ…?」

「おう。ほら、見てみ」


橙磨がE組のクラス表の名簿を指でなぞってく。


それを目で追うとしっかりあたし達の名前があった。


佐倉橙磨と姫川結香。