そう思いつつ、長期休みの時ほぼ毎回写させるあたしも甘い。
ダメだな……あたし。
橙磨のこと意識し出すし。
昔より全然大きくなった背中を眺めて、一人で頬を熱くさせる。
橙磨が部屋にいる。
前はなんとも思わなかったけど、今は胸がムズムズ。
あたしどうかしてるよ。
「…なぁ、結香」
「はっ、はい!?」
「動揺し過ぎ!どうしたの?」
「べ、別になんでもない!で?用件は何よ?」
「あのさ、結香って……キスしたことあんの?」
キス………
あたしは自分の唇をそっと指で撫でてみる。
そういや、生まれてこの方16年間彼氏ナシだ……
キスなんてしたことない。
「そうゆうこと聞くのってセクハラ発言!禁止!」
「あるの?ないの?」
「なんで橙磨に教えなきゃないの!?まず、アンタから言いなさいよっ」
「俺?俺はあるよ。何回も」
………ズキッ。
心が傷む。
当たり前だよね。
橙磨はずっと彼女の存在を切らしたことないもん。
だから、バカなあたしも見栄を張りたくなった。

