追っかけてベタベタして来る橙磨を早急に追っ払って、あたしは体育館を出た。
その時にバッタリ会った可愛らしい女の子。
橙磨の彼女の愛理ちゃんだ……。
比較的、女子はみんな愛理ちゃんを好きだったりするけどあたしは苦手。
絶対、性格悪そうじゃんか〜…!!
「ねぇ、バスケ部マネの子よね?」
「あっ、うん。そうだけど……」
「橙磨いる?」
「いるよ」
「ありがとう」
そう言ってすぐ体育館に入ってった。
そっか……橙磨に会いに来たんだ。
彼女だもんね?
ダメだよ………橙磨にはこんなに可愛らしい彼女がいる。
あたしが変な感情を持つことで二人を邪魔しちゃうから。
ぐっと溢れて来る何か知らない感情をしまい込んだ。
「結香?大丈夫?」
「……あっ、す、すいません!静乃さん!あたしボーっとして…」
「考え事?悩みなら聞くけど?」
「ほ、ほんとに大丈夫ですから!ごめんなさい!」
「あら、そう?」
あたし何考えてんだろう?
まさか、本気で幼なじみの橙磨のこと好きとか!?
ま、まさかね………そんなことあるはずないじゃん!!