事の始まりは放課後すぐに起きた。
いつも通り、着替えてからテーピングを巻いてると痛みを感じた。
おかしいな……。
普段、黙ってるだけで痛いなんてことはない。
「橙磨ー!練習しよーぜ!」
「待って日向!今行く」
立ち上がると、ズキッとさらに痛い。
今日は変だ………。
結香は………まだ部活来てないな。
それなら、なんとか騙して練習出来る。
まだ人の少ない体育館で日向と練習してると、走る度に痛む。
「大丈夫か橙磨。脚痛いの?」
「まぁ、少しだけな」
「右足かばって走ってるからさ。昔、骨折したんだっけ?」
「小6の時にバスケしてて、思いっきり床に膝ぶつけて骨粉砕した」
「すっげーな!」
粉砕までは言い過ぎたけど、結構酷かったらしく入院して手術して治した。
痛かったなぁ~。
日向からパスをもらってシュートを打とうと、膝に力を入れた時だった。
そのまま右膝に有り得ないほどの激痛。
崩れ落ちた俺は、そこから痛すぎて記憶にないぐらい。
人少なくて良かった、ほんと!

