しばらくするとバイブレーションが止んで、作り物っぽい観客の笑い声がテレビから流れてくるだけになった。


気味が悪いけれど、「なんだかよくわからないもの」をそのまま放っておける性格ではないので、すぐに今かかってきた番号をよく見た。

番号からして、たぶん誰かの携帯からかかってきている。



なんだろう、私なにかやらかしたっけ……。

よく覚えていないまま、誰かと番号を交換した?それとも悪用されてる?え、詐欺?


脳みそフル回転で考えても答えは出なくて、心を落ち着かせるためにビールを一口飲もう、としたら


またさっきの番号から着信だ。



身構えながら通話ボタンを押した。