解呪師

「眠れる子供、眠れる子供。

懐かしいのは眠れる子守歌。




解ける音、解ける音。

閉じるのは柔らかな御手」





小さくカーズが唱えたかと思えば、次の瞬間には自分が温かい気配に包まれるのをルギウスは感じた。


思わず遠ざかろうとする手をつかむ。




「何を、した?」


「簡単な護身だ。呪の決定的な弱点をついているから、お前は呪から守られる」


「決定的な弱点?そんなものがあるのか?」



リーが不審げにたずねると、カーズにかわって獣がけたけた笑いながら答えた。



「あるさ。企業秘密だけどな」


「胡散臭い。これで王子殿下が呪にそまったら、ただじゃおかないからな」



獣はそりゃ楽しみだと笑う。


カーズが呆れた様子で二人を眺めていると、王子に腕を引かれて視線を向ける。



「気配が違うが、これは呪なのか?」


「違う。そもそも解呪師は、呪いがかけられない」




そこでタイミングよく面会の準備が整ったと合図が届いた。