解呪師

「国にかけられた呪について詳しく話そう」


「頼む」



「呪の存在が認識されたのは、三か月前。はじめに異変があったのは、母――王妃だった。急に原因不明で体調を崩すようになったかと思えば、昏睡状態になった。たまに目を覚ましても目の焦点もあわず、唸り声をあげるだけだ。次に二番目の兄王子が倒れ、続くように王と一番上の兄王子が意識を失った。末の妹姫が倒れたのはそんな状態になって一か月過ぎてから、そして先月末に彼女は亡くなった。妹がなくなる直前から王都にも疫病が広がっていった」



淡々と語られる話を頭に刻んでいく。


それから王子は、じっとフードの奥の目のあたりを見つめる。






「カーズ。まず確認したい。これは、呪か?」







「勿論、呪だ」


「どんな呪か教えてくれ」


「起きた事実だけを並べれば、これは体を損なう呪と思う。だが…」
「だが?」



カーズは紅茶を一口含む。





「呪には必ず、本質がある。それが、そのまま呪に現れるとも限らない」







「よくわからないな。どういうことだ?」