私に聞こえる大きさで舌打ちをした彼女。


「あんたに颯人の何がわかるの?私は颯人と一緒の学校に通ってる。学校の颯人をあんたなんかより長く見てる。あんたなんかより私のほうが、ずっと颯人の事好きなのよ!!」


どこで息を吸っているのだろうと思うくらいの早口でそう言い放つ愛梨さん。


「颯人の学校の姿を長く見ているのはあなたかもしれない。だけど!颯人の事好きな気持ち。誰にも負けないつもりよ!もちろん、あなたにも!」


負けじと言い返す。


「颯人だって言ってたわ!」


「え・・・?」


何・・・を・・・?


「治らない病気なんかにかかってるあんたがめんどくさいって!いちいち気を使わなきゃいけないし、友達と遊ぶ時間も減ってるし、毎日ここに通うのがめんどくさいってさっ!」


「・・・・・っ」


颯人が、そんなこと言うはずがない。


頭の中では分かっているのに。


なんで体は言うことを聞いてくれないのかな?


勝手に涙が溢れてきた。


「あんたみたいな弱っちい女なんか嫌なんだって!私のほうが、ずーっと愛されてるわっ!」


「そんな・・・わけ・・・・」


ない、って。


言えなかった。


さっきまでは強気でいられたのに。