お前のこと、一生かけて守るよ

「キミさぁ、学祭の時。売り子みたいなことしてたでしょ」
「えっ。あー、はい」

初めての学園祭。ウチのクラスは、喫茶店で。

なぜか男子に『理湖が売り子な!』と言われ、仕方なくやった。

「その時に、一目惚れしたんだ」

まっすぐに、あたしを見つめる先輩の目は真剣そのもので。

「キミは可愛くて、元気があって、見てると笑顔になれる」

あたしのことを、そんなふうに見てくれてたなんて…。

「だから友達に協力してもらって、キミのクラスとフルネームを調べたんだ。勝手にごめんな?」

なにも言えなくて、フルフルと顔を横に振った。

「俺の名前は知ってる、かな?」
「も、もちろんです!哀川遊聖、先輩…」
「すごいね。俺って、もしかして有名…?」

先輩は、クスッと笑った。