「理湖……」

先輩が、あたしの服装を見て固まっていた。やっぱ、変だったかな…。

「あの先輩、」
「すげぇ可愛い」
「えっ」

それは思いがけない言葉で、あたしも言葉を失った。

「ヤバイ、誰にも見られたくないな。遊園地、やめちまうか」
「せ、先輩っ!?」
「冗談だよ。さ、行こうか」

先輩はクスッと笑うと、あたしの手を引き駅の中に入った。

「いいから」
「でも、」
「デートは男が出すもんなの。わかった?」

そして駅の中では切符を買うのに自分の分は自分で、と思ってたのに一悶着あった。

けれど強引な先輩が勝利し満面の笑みで切符を渡され、仕方なくそれを受け取ると改札を通った。その後電車はすぐにやってきて、それに乗り込んだ。