お前のこと、一生かけて守るよ

「ここじゃ人がたくさんいるから、ちょっと裏庭にでも行こうか」
「えっ、ちょ、先輩!?」
「ん?」

わたしの背中に、さりげなく手をあてた先輩。

けれど、なぜあたしなのか全然わからなくて、足を止めた。

「いや、あの…。人違い、ではないですか…?」
「ん?水田さん、でしょ?水田理湖」

あたしのフルネーム、全部知ってるなんて…不思議。

部活もやってないし、先輩とは面識もないはず。

なのに、どうして…!?

「不思議そうな顔してんね。それも含めて話すから、とりあえず裏庭行こうか」
「は、はぁ…」

とりあえず、ボコられるわけじゃなさそうだし、いいかな…。

「あ、キミたち。この子、俺の大切な子だからイジメとか禁止な?」

え、えぇっ!?『大切な子』って、なに…。でも先輩に言われたからなのか、うらやましそうな顔はされるけど、睨まれてはいない…と、思う。