「そんなのコッチが聞きたいよっ!とにかくっ!先輩が理湖を呼んでるのっ!」
「わ、わかったから。じゃぁ、行ってくるから、お弁当見ててね?」

仕方なく席を立ち上がり、廊下に出ると女子に囲まれた先輩がいた。

うーわっ、コレどうやって話し掛けたらいいのよ!?

ってか、ホントにあたしを呼んでたのかすら怪しいんだけど…。

声を掛けたはいいけど、『は?誰?』って顔されても嫌だし…。

そんなことを悩みながら見ていると、先輩と目が合った。

「あ、水田さんだよね?」

げっ!女子たちにも見られたんですけどー!

先輩、やめてよ…。そういうので、わたしイジメとか勘弁なんだから!

そう思いながらも無視することはできず、『あ、はい…』と愛想笑いをしてみた。

「ちょっと、悪りぃな。ココ通してな?俺この子に用事、だから」

先輩がそう言えば、サッと道が開く。