それからのことは、あまり覚えていない。



テツマさんはご飯だから呼びに来ていたらしく、元気よく駆けていくユウキチくんの後ろを歩いたことが曖昧に覚えているだけ。




星矢さんとテツマさんから話しかけられることはなく、トラジさんが少し声をかけてくれるだけ。




ユウキチくんが帰った後は、とにかくボーッとしていたんだと思う。







「帰るで」

「……はい」




迎えにきた車に乗り、星矢さんのお家に向かう。



車の中ではお互いに無言。

元々、星矢さんが話しかけてこない限りは、あたしから話すようなことはない。




家に着くと、夜も遅いのに執事さんが玄関で待っていた。



「星矢様、奥様から今夜は帰らないとご連絡頂いています」

「わかった」