「璋一さん!」

後ろから懐かしい匂いがした

ワシ…俺は振り返った

「…里菜子、すまん、遅くなった」

「いいのよ!渚桜を幸せにしたんだから!」

彼女は微笑む

「里菜子、会いたかった」

俺は里菜子を強く抱きしめた

「私もよ…璋一さん…
菜穂も樹紀さんも待ってるわ」

「…そうか、じゃあ行くか」

「えぇ」

俺は愛しい妻の手を強く握った

「お父さーん!」「お義父さん、こっち」

遠くから娘たちの声が聞こえた…







ピーーーーーーーーー……

「ご臨終です」

おじいちゃんの手から力がなくなった

「おじいさん…」

リンは強くおじいちゃんの指輪を握った


おじいちゃん、いままでありがとう

ここまで私を育ててくれてありがとう

パパとママとおばあちゃんと

わたし達を見守ってね?

私、おじいちゃんの事………







「おじいちゃんなんて大ッ嫌い…」

END