ピコンピコンッ

「はぁ…はぁ…」

意識が遠のいていく

「おじいちゃん!死なないでよ!」

「おじいさん!!」

高校卒業して、もうすぐ大学に行く

渚桜と燐斗くん

高校の卒業式を見れたんだ

それで良しとしよう

「なにをやっている!モタモタするな!」

医師の怒鳴り声が聞こえた

「おじいさん…」

涙目になりながら燐斗くんはワシを

見つめた

なかなかひねくれた奴だったが

正直者で誰より、なによりも渚桜思いだ

近々結婚するだろう

こいつなら渚桜を任せられる

「なぎ…さ…」

「なに!?おじいちゃん!」

既に大泣きの渚桜、本当に可愛い孫じゃ

渚桜はワシの手を両手で握り締めた

「幸せ…に、してもらえ…よ?
前々から燐斗くんを…認めて、いたんじゃ
燐斗くん、渚桜を…頼んだ…」

「そんなこと言うなよ!おじいさん!」

「燐斗くんもワシの…可愛い孫じゃ…
ワシの指輪を…受け取ってくれ…」

最後の力を振り絞って左手の薬指から

指輪を抜いて燐斗くんへ渡した

「…大事に…します!!」

燐斗くんはポロッと涙を流しながら

微笑んだ