渚桜ちゃんside

『ひっく…おとぉさん、おかぁさん…』

まだ小さい私は父と母が事故により

いきなり亡くなって

どうすればいいのか分からなくて

ただ泣いていた

『渚桜…』

大きくてゴツゴツしてて温かい手が

私の頭を優しく撫でた

『おじいちゃ…ふぇ…』

『渚桜、おじいちゃんじゃ物足りないかも
しれぬがお父さんとお母さんの
変わりになれるように頑張る
だからおじいちゃんと一緒に住もう?』

おじいちゃんは泣きそうになるのを

堪えながら笑顔で言った

『うん…、おじいちゃんと一緒にすむ』

あの時からだ、私の唯一の家族になったのは

私はすごくおじいちゃんに感謝してるの

あの時、おじいちゃんがそう言って

くれなかったら私、今どうなっていたか

分からない

なのに私はおじいちゃんに大嫌いなんて

言ってしまった

ちゃんと謝らなきゃ

「ナギ、頑張れ」

リンは小声で応援してくれた