図書室で愛をささやく




ギロっと睨まれた。


と思う。


だってメガネのせいで彼の目がよく見えないから、確信はない。


「しょうがねぇだろ。コレ付けとかないと色々と面倒くさいの。」


「へぇ。」


私にはどうでもいいけど。


彼はホントに嫌らしく、道中何度もいじくっていた。



隣を歩いていて気付いたこと。


彼は大きい。


私が147cmで小柄なのかもしれないけど、彼の顔が普通にしていては見えない。


ぐいっと首をもたげて、なんとか見えるってくらい差がある。


なんか悔しい。


「てか悠香ちゃん、小さい。」


コイツわざと“ちゃん”って付けやがった。


「痛いから!」


なんか、すごくムカついたので、脇腹を殴ってみた。


ニコニコと笑っているのを見ると、たいして効かなかったようだ。


次からもっと強くてもいいみたい。