「…あ、秋山くん」
「……今度はハンカチでも貸せと?」
「あたしに興味あるってほんと?」
「ええ」
また、その話しか
彼女は話を蒸し返すのが好きなのか?
「どの辺に興味がある?」
………どの辺、ね
そんなの
「執拗なところです」
「へ?」
「なに?それ?」
「自分で調べたらどうです?
何度も言いますがここは図書室です」
「……分かったよ。
でも、その前にあたしも秋山くんに聞きたいことがあるんだけど、いい?」
………また質問
「何ですか?」
「なんで、眼鏡してるの?」
…………
……この子はバカか?
いや、知っていたけれど改めて驚かされる
「…視力が悪いからです」
「そうじゃなくて」
何なんだ
「コンタクトにしないの?」
「…別にどちらでもいいじゃないですか」
「ふーん」と言って、またどこかへ行った
…………不可解すぎて困る
まるで電磁波のような女だ
電磁波がないと
携帯電話はもちろんドライヤーもテレビもステレオも使えない
でも浴びすぎると体に悪い

