手の届かないキミと



それにきっと私、はきはきしてないから、余計に小さく見えるんだと思う。

この前ハルくんに言われた、「はきはきしろ」って。


「おい、リョウ」

ハルくんが不機嫌な声を出した。

「なんだよ、ヤキモチか?」

おどけるリョウさんが大人なのにかわいくみえて、顔がほころんでしまう。


「くっちゃべってねーで、なんか飲み物でも持ってこいよ」

ハルくんにそう言われ、「あ、たしかに」とリョウさんはまた奥へ引っ込んでいった。