手の届かないキミと



でも彼は、「はいはい」と言って、奥に引っ込んでいった。


「あれ、俺のいとこのリョウ。」

そう、ハルくんが教えてくれた。


「…リョウ、さん」

口に出してみると、ハルくんは「うん」と言って、

それから「こっち」と言って

私を浜辺のテーブル席のほうに連れて行った。


ハルくんと二人でテーブル席に座って、しばらくすると、
リョウさんがハルくんに目玉焼きとベーコンの乗ったプレートを持ってきた。


「はい、これ…って」

テーブル席までやってきたリョウさんは、私を視界に入れて固まる。