手の届かないキミと



「迎えに来たの。」

そう言うとハルくんは、ひょいっと堤防の上から降りた。


迎えに来てくれたんだ…


「ありがとう、ハルくん。」


お礼を言う私を見て、ふっと笑うと、ハルくんは私の右手を引いた。


「まだ時間あるしな…」

こうしてたまに、手を繋いでくるハルくんに、ドキドキする。

斜め前に見えるハルくんの背中が、すごく好き。

どこまでも、引っ張っていってくれたらなって、不謹慎なことを思ったりもする。