手の届かないキミと



「?」

きょとんとするハルくんは、子犬みたいだ。

私の胸がぐっと締め付けられる。

ずるいなあ、本当に。ずるい人だ。


「い、いつも…寝ぐせ、ついてる…から…」


ハルくんは髪に触れた。

寝ぐせがついていないか確認してるみたいだ。


「あ、今は…」

今はついてないよ、ハルくん。


手を髪から離したハルくんは、「たしかに」と言った。

「たしかに俺、朝すっげー弱い。」

なのに無理してまで迎えにきてくれようとしたハルくん。