手の届かないキミと



夢なんかじゃなかった。

これは、現実に起きていることで。

…遊ばれているとしても、涙が出てしまうくらい、うれしい。

私って単純だから、

単純すぎるから、ハルくんが言った”彼女”って言葉を大切にするの。


「お前、俺の彼女なんだからさ、その、なんか戸惑うの、やめろよ」

「き、緊張しちゃって…」

「じゃあ慣れろ。」

「な、慣れ…」

いま気づいた。ハルくんって、けっこう強引なところがある。

引っ込み思案な私には、引っ張っていってくれる存在がありがたい。