手の届かないキミと



本当は、うすうすだけど、気づいてた。

俺がミチルの彼氏を見たのは過去に一度だけ、あの祭りの夜だけだ。

ミチルは意図的に、俺に彼氏の顔を見せないようにしてた。

話はするけど、会うことも、写真ですらも、見たことがなかった。


「そうだね、連れてくるよ。リョウも上手くいったし、

みんなで、パートナーも一緒にさ、集まろっか」


そう微笑んだミチルは、どこかほっとしたような顔だった。

重かった肩の荷が下りたんだな。…その重さは、俺のせいだけど。


「なら、海行こうぜ。子どものときみたいにさ」

「そうね、そうしよう!リョウ、バイトしてるしね」