穴があったら入りたい…

ずっとそう思いながらも我慢してここまできたけど…

さすがに自分たちの教室に手を繋いだまま入るのはためらわれて、

ドアの前で立ち止まり、陽の顔を見ようとしたのに…


なんで突っ立って動かねーの

とでもいうように、歩いてくるうちに眠気が覚めたらしい陽は

ガラリと教室のドアを開けると、ずんずんと教室内を突き進む。


「杉浦くん!おは…よ……」

陽にあいさつをしようとしたクラスの女子が困ったように声をすぼめる。

それも、わかる。だって…

あのハルくんのうしろから、地味で存在感のない私がのこのことついてきたのだから。