手の届かないキミと



「あーやべぇ、しぼむ」

ハルくんの線香花火は、私のものよりも早くその勢いを落としていく。


ぽとり、そんな効果音は似合わないくらい小さい火種が落ちた。


「あーあ、落ちた」

「やったー、私の勝ちだね」

「これで1対1だし。次が勝負だからな」


負けないもんっと意気込んで、運命の第3回戦。

2人同時に火を着けた線香花火は、負けず劣らずといった感じでふつふつと火種を大きくしていく。


もう少し、もう少しがんばれ。

ハルくんのよりも、あと少しだけ大きくなれ…


じっとふたつの線香花火を見つめていると、

ぱちぱちという線香花火独特のはじける火花が散りだす前に、

ハルくんの火種が、ぽとっと落ちた。