手の届かないキミと



「いいよ。じゃあ3回勝負で多く勝ったほうな」

そう言うと、ハルくんは私に線香花火を1本差し出した。

「…うん。」


夢のような時間が、カウントダウンを始めた。


2人で小さく座り込んで、同時にそっと線香花火に火をつけた。

ふつふつとした火種が落ちてしまわないように、必然的に2人の間の会話はなくなる。

そのうち、静かにぱちぱちと火種がはじけだす。


…きれいだなぁ、なんて思っていたら

身体がぐらりと揺れて、私の線香花火の火種が落ちてしまった。


「あ…!」

身体の揺れた原因を見ると、何食わぬ顔をして、まだぱちぱちと燃えている自分の線香花火を眺めている。