ハルくんは振り返ることなく、私の手を引いて歩き出す。
「…この辺さ、」
前を向いたまま話すハルくんの声に耳を傾ける。
「出るらしいよ、幽霊」
そう言われて、思わず繋いでいたハルくんの手をぎゅっと握ってしまった。
私はそういうの感じるわけでもないし見たこともないけど…やっぱり怖いものは怖い。
おばけとか幽霊とか、そういった類は得意じゃない…。
そのとき、パキッという音がして、びくっと肩があがる。
私は瞬間的にハルくんの腕にしがみつくと、ハルくんの肩がクスクスと揺れている。
「落ちてた枝を踏んだだけだよ」
ハルくんの足元を見てみると、踏まれて折れた木の枝があった。

