手の届かないキミと



私は、腕を引く男の、その後ろ姿に、確かに見覚えがある。

その後ろ姿に、たまらなく胸が焦がれる。


…斜め後ろから見る、彼の後姿が好きだから。


屋台が立ち並ぶ参道を抜け、ひとのいない裏山に出る。

そこまできて、私の腕をつかむ手が緩むと、ゆっくりと下がって、今度は私の手のひらを優しく握った。



……ハルくん


その優しい手のひらに、胸がぎゅうっと締め付けられて、苦しくなって、どうしようもなく泣きたくなった。

涙が勝手に溢れてくるくらい、私おかしくなっちゃったんじゃないかってくらいに、ハルくんが好きでたまらないの。