手の届かないキミと



でもきっと、お会計しないで出るわけだし、

店員さんに怪しい目で見られるにちがいないし…


店の外に出ようか出まいか、廊下でおどおどしていると、

歌い終わった多田くんもカラオケルームから出てきた。


「待ってるから、行くぞ」

そう言って小走りで私の前を過ぎていく多田くんのうしろを、はっとして急いで追った。


私が心配していたお会計ゾーンは、怪しまれずに通ることができた。

むしろ、店員さんが営業スマイルをくれたくらいだ。

「料金はすでにお預かりしておりますので」って…先に出たらしい西村くんが払っておいてくれたのかな?