手の届かないキミと



『痛い』という声がして、振り返ってみれば案の定、

俺を追いかけようとして転んだのか、ひざをすりむいて座り込んでいる。


…まじか。

知らん顔してその場を立ち去ることもできたけど、…それは俺の良心が痛む。

仕方なくその子に肩を貸して、保健室まで連れていってやった。


保健室の前には不在の札がかかっていて、

俺が手当てしないとじゃんって不機嫌になったのをよく覚えている。


そんな俺の不機嫌も、そのあとあっという間に吹き飛ばされることになるんだけど…。